一流の美容院 開業
変額年金や契約者配当の工夫によって長期にわたって蓄積された契約の持ち分(「アセット・シェア」)を返還することがなされているが、インフレが進行すれば十分には対応できない。
公的年金では租税の投入や物価スライド制の導入によって実質価値を保証した年金にすることができる。
第6に、当然のことながら私保険は市場で取り引きされるものであるため加入しないあ加入しえない者には対応できない。
保険に加入しなくとも他の手段で生活保障をなしうる者はいいがそうでない者を放っておけるかという問題がある。
以上、民聞の保険のみでは不十分で社会保険が国民に基礎的な幅広い生活保障を提供するために必要であることを述べてきたが、注意しなければならないのは、どうしても社会保険の枠組みでなければならないというものでもないということである。
現に、イギリスの公的医療制度は社会保険というよりは税方式による国営医療制度であり、介護の公的保障も、ドイツやフランスでは社会保険方式であるが、イギリスや北欧では公費負担方式(租税方式)である。
また、社会保険といっても、必ずしも保険料収入のみで給付が賄われるわけではなく、わが国の医療保険のように国庫負担に大きく依存した制度もあり、同じくわが国の公的年金のように実態は賦課式に近いものもある。
いずれにしても、民聞の私保険のように、危険率に応じて拠出される加入者の保険料で収支が償われるものではなく、加入者間あるいは一般納税者さらには世代間での所得移転(再配分)が行われていることに注意しなければならない(社会保険はそれを包含する社会保障とともに所得再配分機能を持つが、再配分それ自体を目的とするものではない。
厚生年金は一定範囲で報酬比例年金としての性格を持ち、働いている期間の給与すなわち保険料の多い者がより給付が多い仕組みをとっている)。
それ故に、所得を移転する者の納得が必要であり、一定の上限がある。
それを超える部分は市場原理にもとづいて企業や家計の自助努力による生活保障の手段を提供する民間保険が活用されなければならない。
家計や企業による生活保障は、生命保険や損害保険といった保険のみが担うものでもない。
将来の死亡、疾病や傷害による損害発生(経済的必要性)あるいは老後資金を準備するために銀行預金、信託、金融債の購入など(以下これらを総称して「貯蓄」という)がその手段として使われることはいうまでもない。
貯蓄広報中央委員会の『貯蓄と消費に関する世論調査(平成8年版)』によれば、国民が貯蓄をする目的の第一は「病気や災害への備え」となっている。
貯蓄も生活保障のひとつの有力な手段なのである。
では、保険による生活保障と貯蓄によるそれはどのような機能的相違があるだろうか。
保険の本質が大数の法則を活用したリスク・プーリングあるいはリスク・シェアリング(リスク分散)にあることは前述のとおりである。
ある特定リスク集団(たとえば、24歳の健康な日本人男性)が今後1年間に死亡する確率は、過去の統計データ(日本アクチュアリー会が1996年4月に日本の生命保険会社の加入者の経験から作成した生保標準生命表1996)によると、25歳になるまでの1年間に10万人中88人と予想される。
つまり死亡率は0.00088である。
この人達が死亡したときにそれぞれ1000万円ずつ必要とする。
経費や利子率を考えなければ、次の算式によって1人当たり、8800円ずつの保険料(経費分の付加保険料を除くので後述のように「純保険料」というが、ここでは単に「保険料」という)を拠出しておけば予想される一年間の死亡者88人に1000万円ずつ支払うことができることがわかる。
上記算式から保険の掛金(保険料)の収入総額と保険金の支出総額が等しくなるように保険料が決められることがわかる。
10万人中88人が死亡することは過去の統計からほぼ正確に予想できるが、どの人が死亡するかはわからない。
死亡する確率が0.00088あり、死亡時には1000万円必要になるリスクを負う者が10万人集まってリスクをプールし保険団体を形成して8800円を拠出することで互いのリスクをシェアする(分散する)ことによって、リスクに対処する=これが保険の本質的機能である。
死亡により必要となる1000万円は1人で貯蓄をするだけでは、それまでに死亡することもありうることを考えると間に合わないこともある。
今8800円を拠出するだけで、万一死亡しても必要な1000万円が手に入ることになれば、もはやリスクはなくなるのである。
これが、保険と貯蓄の相違である。
現実には、見ず知らずの者が10万人も集まってリスクを分散しあうことは不可能であるから、生命保険会社が中に入って、個々の加入者と保険契約を結ぶことによってリスクをプールし、分散する機能を果たしている。
生命保険業が、生活保障において果たす役割の重要性が理解できる。
以上述べたように?式が成り立つことが保険の要件であり、これを「収支相等の原則」という。
給付反対給付均等の原則は一般式では、両辺をそれぞれnで割って、Nの式で表わされる。
私保険では、給付反対給付均等の原則が成立するように保険料を決める(その前提として、性別、年齢、健康状態による区分を行うための危険選択を行う)ことが契約者(加入者)間の公平性を確保する上で極めて重要である。
これに対して、社会保険では、収支相等の原則は保険である以上重要な意味を持つが、給付反対給付均等の原則は貫かれない。
保険料はリスクに関係なく、定額であったり(たとえば、国民年金の保険料)、所得再配分の観点から所得に応じて(たとえば医療保険の保険料)徴収される。
なお、現実の生命保険会社の保険料は、保険料受領時(保障期間である保険期間の始め)と保険金の支払時(平均的に毎年度の中央と考えられる)にずれがあり、その間運用して利息、株式配当金等の収益を稼ぐことができるのでその分を見込んで計算される。
生命保険会社が保険料を収入してから保険金を支払うまでの半年問、1%で利殖することができるため、収支相等の原則を保険料収入時間一同制点(保険期間の始期)において考えると、収入保険維賛同険料の総額が(支払保険金の総額そのものではなく)半年後の支払保険金総額の現在価値に等しくなればいいことを示している。
このことを、保険料は予定利率を用いて割引計算されているという。
今が2.75%(1996年4月以降、多くの生命保険会社が終身保険などの主力保険に用いている予定利率)とすると、保険料の運用をしないとき(八八OO円)と比較して保険料が運用収益を見込んで割引計算され安くなっていることがわかる。
さらに、この予定利率を3.75%(同様に94年4月から96年3月まで使用していた予定利率)として計算すると保険料は8639円になる。
このことは、予定利率が高いほど保険料は安くてすむ(逆に予定利率が低いほど保険料は高くなる)ことを示しているが、生命保険会社が保険金の支払をするまでの問、より高い運用収益をあげることができれば当初もらう保険料が安くてすむのはこれまでの説明から明らかであろう。
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